こんにちは!
僕は加洲珠(カスタマ)ニーズです。
梅澤理論について知りたいのはあなたですか?
初めまして、未知です。
色々教えてください。よろしくお願いします。
梅澤理論って?
梅澤理論ってどういうものなんですか?
梅澤理論をコンセプト表現、C=I+Bで説明しますね。
梅澤理論とは、
I:
梅澤伸嘉博士によって生み出された、
消費者心理構造に基づくニーズ分析手法と、
分析されたニーズに基づく企画開発手法により、
B:
商品企画者の個人的なスキルの向上から
企業ブランド力・収益性向上にむけた新商品開発まで、
幅広い対象(個人・企業)と目的(スキル・事業性)
における問題を解決することができるもの
です。
会社経営の方針から企画者個人のスキルまで、
幅広い領域を網羅する理論なんです。
C=I+Bって?
C=I+Bってなんですか?
C(商品コンセプト)
=I(アイディア)+B(ベネフィット)
のことですね。
これは「商品コンセプト公式」と呼んでいるものです。
「コンセプト」って直訳すると「概念」とか「考え方」なので、企業の多くは自分たちの“思い”や“理念”を表現しがちです。
そんな中、梅澤先生は、商品コンセプトを、「お客様が買う前に欲しいと思わせる力」と定義して、それを表現する公式を作り上げたんです。
コンセプト作りのポイントは
- 強い未充足ニーズに応えるベネフィット
- そのベネフィットを実現するアイディア
です。
梅澤先生はその後、IとBの間にNCN(新カテゴリー名)を入れることで、新市場を創造する商品コンセプトになる、と定義しています。
ニーズ構造って?
ニーズ構造ってどういうものですか?
お客様(消費者)を行動に駆り立てるニーズには、
- Haveニーズ:商品(サービス)を欲しいと思う
- Doニーズ:“△△をしたい”思う
- Beニーズ:“○○な人生を送りたい”と思う
があります。これらを層として示したものが「ニーズ構造」です。
例えば、トランプや花札のようなカードをHaveニーズだけでアイディア展開すると、
- 小さくて持ち運びやすいカード
- 丈夫で破れにくいカード
- 可愛いキャラクターカード……
と、カードや花札でしかアイディアがでなくなります。
これをDoニーズで考えてみると、
Doニーズ:家族や仲間と室内で楽しく競いながら遊びたい
となり、このニーズに応えるアイディアを展開すると
- 家庭用ゲーム機
- 通信対戦スマホゲームアプリ
といった、新しいジャンルの商品アイディアにつながるのです。
花札メーカーだった会社が
ゲーム機を作ったのはニーズ構造を
発想に取り入れたからなんですね!
C/Pバランスって?
C/Pバランス……
Cは商品コンセプトで、Pは何ですか?
Pは「商品パフォーマンス」の意味です。
C=商品コンセプトが「買う前に欲しいと思わせる力」であるのに対して、P=商品パフォーマンスは「買った後によかったと思わせる力」と定義しています。
買う前に欲しいと思わせる力と買った後に良かったと思わせる力のバランスで何がわかるのですか?
C/Pバランスによって、その商品が売れるか売れないか、売れ続けることができるかできないか、がわかるんです。
商品コンセプト(C)力が高く、商品パフォーマンス(P)力も高ければ、購入者も多くリピートされるので売れ続けて成功商品になります。
一方で、Cが高くてもPが低ければ、お客様は不満に感じてリピートされずに線香花火のようにすぐに売上が落ちてしまします。
Cが低くてPが高い場合、時間を経て売り上げが伸びていくスロースターターになる場合もありますが、競争の激しい現代は販売不振は直ぐに打切られますのでCP共に高い商品の投入が必要なのです。
CAS分析って?
CAS分析について教えてください
CASはConcept Assessment Studyの略です。
生活ニーズと行動から問題を見つけ出して未充足ニーズを探索する手法です。
梅澤先生は“カスな商品を作らせない”という思いを込めてCASを“カス”と呼んでいました。
どのようにして分析するのですか?
CAS分析は生活ニーズ(Q1)、
そのニーズを満たすための行動(Q2)、
その行動における問題(But)を基に
問題や行動を反転させて未充足ニーズを探索します。
梅澤先生がサンスター時代(1968年頃)に開発したトニックシャンプーを例にすると、
Q1)頭を洗いたい
→Q2)女性用シャンプーや石鹸で頭を洗う
→But)気分まではスッキリしない、と生活上の問題を発見して……
「気分もスッキリ頭を洗いたい」という強い未充足ニーズを見出して、当時は存在しなかった「男性用シャンプー」を誕生させたのです。
男性用シャンプーって今では当たり前だけど、50年前にCAS分析が生み出した画期的な商品だったんですね。
因果対立・上位下位関係分析って?
因果対立・上位下位関係分析とはどういうものですか?
グループインタビュー調査等から得られた情報を論理的に整理する分析手法です。
お客様の発言をまとめるだけではダメなのですか?
お客様は自分が知っている事しか発言しませんので、発言録からだけでは商品コンセプトのヒントは得られません。
成功する新商品コンセプトを作るにはお客様も気付いていない、潜在する強いニーズを知ることが必要です。
因果対立・上位下位関係分析は、お客様の発言だけでなく、行動や状況などから推測されたことも情報として、その構造を整理しながらニーズを発見する方法なのです。
上位下位関係分析は関係性を目的(上位)と手段(下位)で繋げてニーズ構造(Be/Do/Have)を明確にするものです。
因果対立関係分析は要因を上に、結果を下につなげ、矛盾点を対立関係で繋げて生活シーンと行動・問題を抽出するものです。
お客様が発言していなくても行動や状況をもとに、潜在しているニーズを読み取ることが大事なんですね。
MIPって?
MIPについて教えてください
MIP(Market Initiating Product)は新市場創造型商品のことです。
梅澤先生はMIPについて“「生活上の問題」を解決することにより、新市場を創造して生活変化をもたらすことができた商品”と定義して、各企業に対して取り組みを提唱していました。
MIPのメリットって何ですか?
成功率が高いんです。
223市場で調べたところ、シェアNo.1はMIPが53.8%、後発商品が46.2%。
一見すると変わらないように見えます。でも……
後発商品はMIPや競合との激しい競争を戦ってNo.1を獲得していて、成功率はわずか0.5%でしかありません。
市場競争で戦うために多額の費用がかかるので、シェアが低ければ市場撤退になります。
つまり、後発商品は失敗する確率がとても高いのです。
一方のMIPは、先行者の優位性を活かして半数以上がNo.1を維持しています。
例えNo.1を譲っても、高い市場シェアを維持するケースが多いのです。
つまり、MIPは「失敗しない商品」ともいえます。